necco Note
わかりやすく伝える文章術! テキストコミュニケーションで一方通行にならない5つの方法
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アドベントカレンダー4日目は、テキストコミュニケーションに役立つ文章術をご紹介します。
以前エンジニアの髙木さんが執筆してくれた記事では、オンラインコミュニケーションを円滑にするツールを紹介していました。
今回は、文章にスポットをあてて記事を書きましたので、ぜひご覧ください。
▼エンジニア髙木さんの記事はこちら
オンラインでのコミュニケーションを円滑にする秘訣!正確に伝えるための心がけとツール活用
neccoはテキストコミュニケーションが9割!
Slackやメールといったテキストコミュニケーションで、言いたいことが相手にうまく伝わらず一方通行になったことはありませんか。
また、相手から届いた文章の意図が読み取れず、「結局どうすればいいんだろう?」と困ったことはありませんか。
neccoのコミュニケーションは、9割がテキストです。
拠点が秋田・東京・札幌(リモート)で分かれているため、普段のやりとりは大半がSlack。お客さまとのコミュニケーションもSlackやDiscordがメインで、社内外のSlackだけで合計100以上のチャンネルがあり、あちこちでテキストでの会話が飛び交っています。
「neccoに入社したら、まずは文章の修行から…!」なんて言っても大げさじゃないくらい、文章力は私たちにとっての重要スキルなのです。
この記事では、端的に・わかりやすく伝えるための文章のポイントを「neccoあるある」をまじえてご紹介します。書くのが苦手な人や、テキストコミュニケーションに慣れていない人、neccoへの入社を検討している人にもおすすめです。
① 結論から伝える
最も重要なのは、「結論から伝える」ことです。
テキストコミュニケーションが一方通行になるいちばんの原因は、結論を最後に伝えているから。または、結論を明示していないから、と考えます。その理由を考えてみました。
理由①:「起承転結」で伝えているから
みなさんは国語の授業で「起承転結」を習ったことがあるかと思います。そのとき教えられたのは、「起承転結に沿って、結論を最後に話しましょう」。それもあって、最後に結論を書く習慣がついている人が多いのではないでしょうか。しかし、起承転結が重要なのは漢詩や物語のはなし。ストーリーに緩急をつけるための手法です。仕事のやりとりでは、結論から先に伝えることが端的に・分かりやすく伝える最重要ポイントだと考えます。
理由②:先に理由や経緯を伝えているから
もうひとつの理由は、自分の言いたいことを先に伝えているからです。相手は何より先に結論を聞きたいのに、伝え手は結論に至った理由や経緯を伝えようとしている(伝えたい)のだと思います。
結論とは「相手の知りたい内容」のこと
では、結論とはいったい何なのでしょうか。
これは内容にもよるので一概にはいえませんが、「相手の知りたい内容」だと思います。
相手の知りたい内容を、結論として先に書く。これは相手が急いでいて、時間がない場合にも有効です。ゆっくり文章を読んでいる暇がないとき、冒頭だけで結論が分かれば、緊急の案件なのか・そうでないのかを判断できます。
相手への配慮が、伝わる文章への第一歩だと考えます。
② 質問に答える
質問に回答したつもりなのに、「YESなのかNOなのか、結局どっちなんだい!」と言われてしまった経験はありませんか。
それは、質問に明確に答えていないからです。
「はい」「いいえ」で答える
「〜ですか?」と聞かれた場合は、「はい」や「いいえ」で端的に答えると、よりわかりやすい文章になります。
質問の答えは、相手がいまいちばん知りたい内容。つまり、「結論」とイコールです。
質問に答えてから(結論を伝えてから)理由や経緯、根拠を伝えると、圧倒的にわかりやすい文章になります。
以下のような答え方がおすすめです。
- はい(いいえ)、◯◯◯◯◯◯◯◯◯です。 理由は、◯◯◯◯◯◯◯◯ためです。
- はい(いいえ)、◯◯◯◯◯◯◯◯◯です。 なぜなら、◯◯◯◯◯◯◯◯ためです。
③ 主語を省略しない
主語を省略してしまうケース、結構多いですよね。
文脈でわかる場合はもちろんOKだと思います。しかし、突然省略されると「誰のこと言ってる?」「なんの話してる?」と混乱を生む原因に。面倒でも、主語は省略せずに記載することが大切だと感じています。
ここで、neccoあるあるをひとつご紹介します。
neccoあるある:「こちら」を多用しがち
「こちら」はとても便利な表現なので、neccoでも使う人が多いワードです。しかし、ひとつの文章に2〜3つ使われていることもあり、「こちらってどちら?」と混乱のもとにもなっていました。
「こちら」をできるだけ避け、以下に気をつけて書くと、よりわかりやすい文章になるはずです。neccoメンバーにも届け…!(私も気をつけます!)
- 文章の意味が通じる範囲なら、主語は適度に省略してもOK
- ただし主語が異なる文を続ける場合は、それぞれの主語をしっかり示す
④ 伝えすぎない
これは私もついやってしまうのですが、情報を伝えすぎることがあります。
伝えたいことが多いと長文になりますよね。でも、長文って読みにくいし、頭に入ってこないんです…。それを避けるためには、「相手にとって本当に必要な情報は何か」を判断することが重要です。
以下に、長文にならずに簡潔に伝える方法をご紹介します。
リストを活用する
伝えたいことが複数あるときは、リストで箇条書きをするのがおすすめです。
▼リストを使わない例(Before)
▼リストを使った例(After)
ここで注意点が2つあります。
リストの中を長文にしない
リストの中で説明しすぎると箇条書きの意味がなくなってしまいます。言葉の整理からはじめると簡潔な文章になるのでおすすめです。
入れ子にしすぎない
よく見かけるのが、入れ子が複数できているパターンです。リストはとても便利な機能なのですが、階層が増えていくと逆に読みづらくなってしまいます。適度に活用するのがベストですね✨
⑤ 過剰な丁寧語・尊敬語・謙譲語を使わない
社内外のやりとりで頻繁に見かけるのが、過剰に丁寧な文章です。相手を敬って丁寧に書くのはすばらしいことですが、やりすぎると不自然な文章になるため注意が必要です。
neccoあるある:「させていただきます」連発しがち
neccoのSlackでもたまに見かける「させていただきます」という表現。正しく使われている場合は良いのですが、丁寧すぎて二重敬語になっていることが多々あります。日本語ってむずかしい…!
【二重敬語・過剰敬語の例】
- ページを確認させていただき、公開させていただきます(いただきます+いただきます)
- 伺わせていただきます(伺う+いただきます)
- 拝見させていただきます(拝見する+いただきます)
【正しい使い方】
- ページを確認し、公開いたします
- 伺います
- 拝見します
接頭語の「ご」「お」は必要なのか問題
日本語には、相手(特に目上の人)の動作に「御(ご・お)」をつけて、相手を立てる表現があります。「ご確認ください」「ご共有をお願いします」「ご利用ください」「お元気ですか」などの尊敬語です。
しかし、自分側の動作にも「御(ご・お)」をつけるのは、日本語として正しいの…?と疑問を持ったことはありませんか。たとえば、「neccoからご提案します」「ご相談させてください」などの表現です。
立てるべき相手がいれば、「ご」「お」をつけてもOK!
文化審議会が2019年2月にまとめた「敬語の指針(答申)」によると、以下のように書かれていました。
自分側の動作やものごとなどにも 「お」や「御」を付けることはある。自分の動作やものごとでも,それが<向かう先>を立てる場合であれば,謙譲語Ⅰとして,「(先生を)お待ちする」「(山田さんに)御説明をしたい」など「お」や「御」を付けることには全く問題がない。また「私のお菓子」など,美化語として用いる場合もある。「お」や「御」を自分のことに付けてはいけないのは,例えば「私のお考え 「私の御旅行」など,自分側の動作やものごとを立ててしまう場合である。この場合は,結果として,自分側に尊敬語を用いてしまう誤用となる。
文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)
つまり、こういうことです。
- 向かう先に敬意をあらわす対象がいる場合はOK
- 自分側の動作やものごとを立ててしまう場合はNG
- ただし美化語としてであればOK(「お菓子」「お酒」など)
なるほど、勉強になりますね!迷ったときは、「立てる相手がいるかどうか」を考えてみるとよさそうです。
さいごに
いかがでしょうか。テキストコミュニケーションは奥が深く、私もまだまだ改善したい点がたくさんあります。これからも「端的でわかりやすい文章」を目指し、精進していきたいと思います💪
明日のアドベントカレンダーもお楽しみに!
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(2024年12月時点)
夏井 ひとみ
Hitomi Natsui
宮城県生まれ。 大学卒業後、仙台の広告代理店にて週刊フリーペーパーの取材・編集・ライティング、企業のイベント企画・プロモーション提案などに従事。その後、住宅会社の広報スタッフを経て2014年に秋田県へ。ウェブサイト、パンフレット、商品パッケージデザインなど、さまざまな制作物におけるディレクション・編集・取材・ライティングを幅広く経験。 2017年よりneccoに参画。好きなものはガンダム、花、鳥、写真、歌うこと。似ているキャラクターはニコロビン、メーテル、エボシ御前。こけしにも似ている。